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ただいま

3日しか家を空けていないのに、
久しぶりな感じがした。


子どもの顔を見ただけで泣きそうになりながら

私「ご飯作らなきゃね!何がいい?」

と聞くと

末っ子「パパはミートソースが好きだからパスタにしようよ!」

と言った。

ミートソースのパスタはみんな好きだけど、
自分の好きなものじゃなくて
パパの好きなものを作って欲しいと言った末っ子の気遣いに涙が抑えられなかった。



その日から旦那との生活が一変する。


毎晩遅くまで話し合った。



今まで私達は別々の部屋で寝ていた。

今日からは、一緒に寝る。

一つの布団で。



今までは旦那は1人でゲームをしたり
テレビを見て毎晩晩酌をしていた。

私は晩酌につきあう事無く
9時になると自分の部屋に入った。

旦那が仕事で遅くなる日は、顔を合わさずに就寝する事も珍しくなかった。


毎晩晩酌する程お酒が好きではないし、夜カロリーを取りたくない。
朝は息子のお弁当作りで早起きもする。


自室ではケータイのゲームをしたり、
チャット相手と話したりしていた。

あまり遅くまで起きている事はなかった。



今日からは、旦那の晩酌に付き合う。

今まで避けていた夫婦の時間を取りもどす。



それから、

毎晩毎晩 泣きながら土下座して
私の不祥事を謝罪した。




それでも旦那が私を許す事はない。


まだ、離婚を回避した訳でも何でもない。
とりあえず一時的に帰宅しただけだった。
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帰りたい

もう、どうする事も出来ないと悟った旦那。

私に 今後どうしたいのか聞いて来た。


私は、

旦那に私を家族として妻として愛されたい事 、
不倫相手に気持ちは無く一時的な遊びだった事、
子どもと、旦那と家族で居たい

と泣きながら懇願した。



離婚はしたくなかった。

子どもと離れたくなかった。


私が実家に帰らされてたった3日。



下の子達にはなぜ私が居ないのか、

旦那は嘘の説明をしていた。



旦那「ママは悪い人に騙されて心が傷ついている。少し実家で休ませるから」
と。

仕事も休まされた。



末っ子は私を心配して、
実家まで自転車で来ようとしたらしい。

上の子に自転車での行き方を教えてもらっていた。

それから、私が居なくなったストレスで

嘔吐、腹痛を起こし 学校を早退していたらしい。



私のせいで 子どもを傷つけている。

早く子どもの元へ帰りたい。

安心させてあげたい。




夜また旦那と話し合う。



怒りはやまない。


散々怒って怒鳴って


謝って


どうにもならない怒り、悔しさ、悲しみ


全てぶつけて





その後に 旦那が



「帰って来いよ。」


と言った。

消えた男


ケータイは取り上げられているので
実家の電話にに娘から連絡が来た。


娘「どうしたの?」

と言う娘に私から事情を説明する。

娘は「パパも悪いとは思うよ。」と言った。

娘が小さい頃から私が虐げられて来た様子を目の当たりにしてきたからだ。


私がベッドで1人悔しくて泣いている姿を何度も
見て来ただろう。

母の日や私の誕生日には、
娘が手紙を書いてくれた。

そこには
「ママは今辛いだろうけど、頑張って。」
と書いてあった。

娘もまた、理不尽な事を言う旦那の事を
本当は嫌っていた。


夜、旦那から連絡が来て 話合う事になった。



何処でどうやって洋と出会ったのかなどを聞かれた。

洋に今この場で電話をする様に言われる。

項垂れながら電話した。


バレた事、話し合いの場を設ける事、
スピーカーにして話せと言われる。


私「洋?あなたと会っている事が旦那にバレたの。
私は家族と、子どもと一緒にいる事を選びます。旦那と3人で話し合いに応じて下さい。話合わない限り、家に入れてもらえないの。」



洋「そうなんだ。わかった。
今は仕事で遠くまで来ているから、話し合いには応じる事は出来ない。ごめん。」


旦那が電話を取り上げ声を荒げて話し始めた。

旦那「おい!テメー、人の嫁に手ぇ出しやがってふざけんなよ!!
落とし前つけろ!話しがあるんだよ!
あ?関係ないだと?関係ねー訳ねーだろ!
ふざけんな!おい!?おい!!」


電話を切られたらしい。


直後から着信拒否され 私のラインから洋は消えていた。



旦那の怒りは収まる筈もなく
私を責め立て続ける。

私「ごめんなさい。ごめんなさい。」

私は泣きながらも謝る事しか出来ない。


洋が居なくなって 私は正直、好都合だと思った。

不倫の全てを洋との事として、
洋は消えたのだから 。

これで慶太の事は隠し通せばいい。



他にも男がいるなんてバレたら離婚は避けられないだろうと思った。

現実

実家に帰った所で何もする事もない。

バレた事がショックとなり、何も考えられない。

テレビを見る気にもなれない。

これからどうなるのか、検討もつかない。



旦那のモラハラで何度も離婚を考えた。

その度に子どもがまだ小さく、母の愛情が必要だと思い直した。

旦那に無視をされながら、
お金があっても、心が満たされない状況を呪った。




子どもの運動会だった時、
夫婦で来ている人が羨ましくてたまらなかった。

旦那はその日私と一緒に来る事はなく 末っ子の徒競走が見れなかった事を私のせいにし

旦那「もう行かねー」

と言って他にもまだ競技はあったのに
子どもを見に来ず 家にいた。


私以外の人が全員幸せそうに見えた。


こんな生活が続くのなら、
心も身体も愛されないのなら、
離婚もやむを得ないかなと頭をよぎる。

汚い実家でごろ寝して、

汚く、狭い風呂に入りながら


離婚したら こんな生活になるんだ。
と涙が出て来た。

母は片付けられない人だった。

子どもの頃から家の中はいつも散らかっていた。

父親とは毎日のようにそれが原因で喧嘩になる。

不貞腐れた母が片付けるが、
いつも一時しのぎに過ぎなかった。

3日もしないで元の汚い状態に戻った。

家が汚い事は父方の祖母にもいつも文句を言われていた。

それでも片付けない。

大人になってわかった事だが、
そもそも片付けられない人なのだ。
今ならADHDとかに当たるのかもしれない。


それでも、気持ちは優しくふんわりとした性格の母だった。