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拘束したい気持ち

「今月はいつ会える?」

そんな風にいつも聞いていた。


次に会う日を毎月心待ちにして日々を過ごしていた。


ところが慶太からは信じられない言葉が。



慶太「会うの、やめようと思う」


私「?え?何で?」


慶太「まゆのこと、好きになり過ぎた。
頭冷やしたい。」

私「何で?
好きならずっとこのまま会っていようよ?
何でダメなの?」


私は慶太が好きで好きでたまらない。


この時、慶太が何を考えていたかなんて本当の事はわからない。


でも後に
慶太は出会い系アプリで他の人とも連絡を取っていた事が分かった。



私「連休、何するの?」

と話した時

友達と旅行に行くと答えた慶太。

それは女の人だった。

私は泣きながら
「電話したい。声が聞きたい」といった。

私が慶太を拘束する事は出来ない。

自分は結婚しているのだから。

それから

慶太に重いと思われないように
明るい声で話す。

無理して明るくしなきゃ、めんどくさい女と思われる。
嫌われる。

慶太を好きになり過ぎているのは、私も同じ。

だからこそ、自分の気持ちを分散させる必要があった。

慶太が出会い系アプリで他の人と会っているのではないかと思っていたが、その事も引き止める事は出来なかった。

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慶太との日々

慶太に会う時は必ず家事を済ませ
子ども達にはご飯の支度はきちんとした。

慶太にもお弁当を作ったりして、家庭的である事をアピールしてみる。

下着も買ってあげた。

髪を整えるワックスも家から持ち出した。

衣類の消臭芳香スプレーも準備した。

慶太の為なら何でもしたい。

慶太とのデートはほとんどホテルだけど、慶太が帰る時は喫茶店で電車の時間ギリギリまで一緒に居た。

誰かに見られる危険性ももちろんあった。

でも、脳内お花畑の私はそんな事より慶太と手を繋いで歩ける事が幸せだった。


暗くなる前に帰らなきゃいけない事が辛かった。

ずっと一緒に居たい。

慶太と撮ったベッドでの動画を見て寂しさを紛らす。
旦那から高圧的な態度されたり、姑のワガママにイライラしたり
その度に慶太との時間を思い出し 次に会えることを楽しみにして 嫌な事を乗り越えた。

束の間の幸せ

慶太「まゆ、一緒にお泊りしたい」

慶太がそう言ってくれたのは嬉しいが、人妻の分際でお泊りなど出来るはずもない。

いつか、出来たらいいなと 思っていた。



チャンスはやって来た。

今度の土日は旦那が居ない。

しかし、子どもの手前 お泊りをする訳にはいかなかった。

土曜の夜は飲み会で遅くなると子どもに言い、
日曜日は遊びに行くと言って
2日に渡り慶太に会う事が出来た。

慶太をいつもの様に駅に迎えに行く。

いつもよりも遅い時間まで慶太と一緒に居られる。

狭い車の中で私達は愛しあってしまう。

その時、慶太が
「まゆ、愛してるよ」
と小さく言った。



私は喉から手が出るほど欲しかった
心の底からの幸せを掴んだ様な気がした。


「慶太、私も。 私も、愛してる。」



私と慶太は愛欲にまみれた。

誕生日プレゼント

慶太との密会は月に1度位だった。

私は慶太の物静かと言うか、理屈っぽい、ミステリアスな雰囲気に惹かれて行った。

今度は、どんな遊びをしよう?
どんな下着を着よう?
生で挿れたら、喜ぶかな?


こんな会話をした事がある。

私「今度私の誕生日だから、プレゼントちょうだい。」

慶太「じゃあ、歯ブラシあげるよ。」

私「歯ブラシい?」


高価な物が欲しかった訳じゃない。

慶太がくれる物が何であろうと、それを大事にしてずっと慶太を感じたかった。


慶太は、物をもらうのは煩わしい事と考え、歯ブラシと言ったという。
本当か嘘かはわからない。

私に貢ぐのが嫌だったのか。


けど、慶太からは歯ブラシをもらう事はこの後もなかった。

満たされたい気持ち

慶太以外にも同時進行で2人くらいの男と遊んでいた。

いつ捨てられても 自分が傷付かないように。

悲しい思いをしないように。


慶太との事は全ていつものようにたかにも話した。

チャットで知り合った女友達にも自慢した。
慶太はあんまりメッセージのやり取りをしてくれなかった。
やっぱり寂しくて 話し相手を探してしまう。

私「また会える?」

と聞いたら

慶太「別にいいよ。」

と、そんな冷たい返事だった。

本当は、私だって何人もの男と身体さえ重ねればいい訳じゃない。

本当は、旦那に、誰かに愛されて心も身体も包まれたい。

満たされたい。



いつも、心は寂しかった。

慶太との出会い

慶太に会ったのは秋だった。

慶太 当時27歳。


チャットで

慶太「俺なら満足させてあげられるかもよ?」

そんな言葉に誘われた。

私「私40歳だよ?おばさんだよ?」
と言うと、

慶太「大人の女性がタイプなんだ」
と言った。

都内の駅で待ち合わせた。
細身で長身 顔はそれほどイケメンではない。
落ち着いた雰囲気。
口数も少ない。

ホテルに着き 部屋に入るなり後ろから抱きしめられた。

こうゆうの、大好き。

「俺、口でいった事ないんだよね。」

チャットでそんな会話をしていたので

彼を椅子に座らせる。

キスをして、首筋を愛撫する。
片手は背中を撫で 片手は太腿を撫でる。
私の唇は彼の胸から、だんだんと下の方へ。

慶太「ブレスレット外してくれない?ジャラジャラうるさい」

と言われ

感じ悪いなぁ。こんな子初めてだわ。

そんな事を思いながらも
慶太を満足させてあげる。

それから、私も 慶太の腕の中で うっとりする様な時間。

慶太の事を色々知りたい。

色々聞きたいけど、あんまり聞いて去られてしまうのは嫌だ。
聞きたい事は最小限にとどめる。

また、会えるかな、、、

いつものプレイ

いつものように男を漁る。


「人妻ですが、失恋しました。
寂しさを埋めてくれる人、お話しませんか?」


こんな自己紹介文を書き、口元のセクシーな写真をアイコンにした。


いろんな人から毎日メッセージが来る。
年齢、住んでいる場所など条件の合う人と話をしてみる。

会話をして、フィーリングが合いそうだと思ったら 次のステージに進む。

顔写真を見る。

身体の写真を送ってもらう事もあった。
私の写真も要求されれば送った。


それから、好きなプレイも聞いたりした。

私は旦那とする時はいつもノーマルだった。

遊びでするようになってから、年下の男の子と遊ぶ事が大半を占めた。


自分自身の眠っていた性癖が目覚めた。
私は自分がSでもある事に気づく。

年下の可愛い男の子を言葉で責める。
恥じらいながら私の言葉に誘導されて
恥ずかしい姿の男の子を見て興奮した。

いつも男は強く居なくてはいけないと子供のころから母親に言われて育つ。

「私の前では、甘えていいよ」

と言うと、いつも強がっていた男が猫の様に甘えるのも可愛らしく見えた。


まさにAVの世界
不倫脳


そんな危険な遊びをしていた。

再会

たかが居なくなって、多田に裏切られ また男を漁る日々。

心が満足する日は訪れない。

しばらく経ったある時たかが連絡をくれた。

たか「まゆ、彼とは上手く行ってる?」

私はたかに 多田に裏切られた事全てを話した。
たかはいつも通り 私の気持ちに寄り添って聞いてくれた。

たか「忘れようと思っても、無理に忘れる事ないよ。自然に忘れられるから。
僕が何でも聞いてあげる。」

たかの存在は、とても安心した。

私「今度、こんな子と会うんだ。」

そんな事も全て話した。

たか「楽しんでおいで。」

そうやっていつも 励ましてくれた。

心友(しんゆう)

多田と一度連絡が取れなくなった時。


たかとチャットで出会った。

たかは、既婚者。
奥さんとは上手く行っていない訳でもないが、奥さんの時々冷たい言葉や態度に傷ついていた。


誰か話し相手が欲しい様だった。
私も話し相手が欲しい。
たかは私が何を話しても共感してくれた。


「まゆのしている事は褒められた事じゃないけど、まゆの心が寂しいのはわかる。
旦那さん、酷いよね。」

と、いつも気持ちに寄り添ってくれた。
だんだんと たかに気持ちが行くのかと思いきや
余りにも優しく 全く強引さの無い彼に私は男として見れない気持ちの方が大きくなっていた。


毎日メッセージのやり取りをして 色んな男達の話を聞いてもらった。
たかは虚しい気持ちを全部包み込んでくれた。

そんな時に多田と一度だけ連絡が取れた。


その時の私は また多田とやり直せると希望を持っていて、一気に多田に気持ちが戻った。

たかに

私「ごめんなさい。私は多田とやり直します。
もうたかと連絡とらない。さようなら。」

たかは、「まゆが幸せになるなら」
と私から去ってくれた。

麻痺して行く不倫脳

私の脳内はもう既にお花畑のど真ん中。


身体の快楽と心の満足度は反比例していたが、今が楽しければそれで良いと思う気持ちと、旦那に対する復習にも似たような気持ちで罪悪感は感じなかった。


チャットで遊び相手を探す日々。

チャット会話だけしかしない人、会ってみて食事だけした人。
カラオケした人、大学生、入れ墨の入った人、写真と全然違うじゃん!と思った人。

他にも何人も私の身体を素通りして行った。

旦那にバラすぞと脅された事もあった。

それは会ってもいないので、連絡を途絶えさせて事無きを得た。


チャットでは女性とも仲良くなった。
誰にも言えない事を互いに話しあった。
どんな相手とどんなプレイをしたか、自慢しあったりもした。


今は思う。

自分の事を大切にするとか、病気の事とか。
わかっているつもりでも わかっていなかった。
都合の悪い事は考えないし 見ないフリ。
知らないフリ。

完全に頭がおかしかった。