2019/06/29
記念日
突然連れて行かれたアクセサリー店。アクセサリーなど欲しかった訳ではないので、
驚き戸惑う。
旦那にリングを選ぶ様に促され、エンゲージリングの中から 半ば無理矢理リングを選ぶ。
私達が結婚して20年 。
出会いから25年。
また、これからも家族として、夫婦として 共に歩もうと決意を新たにしてくれた旦那からのサプライズだった。
眩いばかりのダイヤモンドの指輪達。
私には眩し過ぎて、とてもこんな高価なリングもったいなくて、選びきれず 迷うばかり。
旦那が
「もったいないって思わなくていいから、気に入った中の一番高いやつを選びな」
と言った。
旦那の想いを無駄にしてはいけないと思い いくつかの候補の中で一番高価な指輪を選んだ。
指輪の内側に入れる文字は旦那に考えてもらう事にし、渡される当日まで私には内緒にしてもらう。
指輪が出来上がるのは私達の記念日。
記念日一週間前の日曜日、旦那が
「買い物に行くよ。」
と私を連れ出し 私達の原点 母校へと連れて行った。
無断で敷地に入り、校舎の中に入る。
私「えー?何??誰かに会ったらどうするのー?
早く帰ろうよ。」
旦那「ここが教室、ここは学食、
プールはこっちだったね。」
一通り見終わって外に出て空を見上げた時
校舎の間から見える青い空に飛行機雲がひとすじ。
この空を一生忘れない。
旦那「行こっか。」
車に乗り込み、シートベルトをするとおもむろに渡された紙袋。
何が入っているのか 考えなくても分かった。
瞬間、涙が溢れて止まらなくなる。
わざわざ母校に連れて来てくれた事。
もう一度あの時の気持ちに戻ってサプライズしてくれた事。
25年前、私達はここに居た。
これからも旦那と一緒に歩んで行くんだ。
これからはもう、嵐は無いようにしよう。
台風の後は晴れるように。
晴れの日も雨の日も、曇りの日も
互いを思いやってずっと寄り添って行きたいと心の底から思った。
指輪に刻印された文字の意味は
この誓いと共に。
この指輪のダイヤモンドのように
私達の未来が永遠に輝いて行けるようにと
願う。