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記念日

突然連れて行かれたアクセサリー店。


アクセサリーなど欲しかった訳ではないので、
驚き戸惑う。


旦那にリングを選ぶ様に促され、エンゲージリングの中から 半ば無理矢理リングを選ぶ。


私達が結婚して20年 。
出会いから25年。


また、これからも家族として、夫婦として 共に歩もうと決意を新たにしてくれた旦那からのサプライズだった。


眩いばかりのダイヤモンドの指輪達。
私には眩し過ぎて、とてもこんな高価なリングもったいなくて、選びきれず 迷うばかり。


旦那が
「もったいないって思わなくていいから、気に入った中の一番高いやつを選びな」

と言った。


旦那の想いを無駄にしてはいけないと思い いくつかの候補の中で一番高価な指輪を選んだ。


指輪の内側に入れる文字は旦那に考えてもらう事にし、渡される当日まで私には内緒にしてもらう。


指輪が出来上がるのは私達の記念日。


記念日一週間前の日曜日、旦那が


「買い物に行くよ。」


と私を連れ出し 私達の原点 母校へと連れて行った。

無断で敷地に入り、校舎の中に入る。


私「えー?何??誰かに会ったらどうするのー?
早く帰ろうよ。」

旦那「ここが教室、ここは学食、
プールはこっちだったね。」


一通り見終わって外に出て空を見上げた時



校舎の間から見える青い空に飛行機雲がひとすじ。


この空を一生忘れない。

旦那「行こっか。」


車に乗り込み、シートベルトをするとおもむろに渡された紙袋。



何が入っているのか 考えなくても分かった。



瞬間、涙が溢れて止まらなくなる。



わざわざ母校に連れて来てくれた事。

もう一度あの時の気持ちに戻ってサプライズしてくれた事。

25年前、私達はここに居た。

これからも旦那と一緒に歩んで行くんだ。

これからはもう、嵐は無いようにしよう。

台風の後は晴れるように。

晴れの日も雨の日も、曇りの日も

互いを思いやってずっと寄り添って行きたいと心の底から思った。



指輪に刻印された文字の意味は


この誓いと共に。


この指輪のダイヤモンドのように
私達の未来が永遠に輝いて行けるようにと
願う。
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旦那と慶太のやりとり 決着

払え、

払わない、

払え、

払わない、


いくらだったら払う

却下

そんなやり取りを数週間。



そして弁護士から、

「訴訟にしますか?」

と問われる。


旦那の答えは



「80万即金で支払い、求償権も破棄しろ。
それで不服なら訴訟。」

慶太がそれで納得した。



ここまで数ヶ月。


長かった。


旦那の心の中で一つ前進した瞬間だったと思う。

旦那から
「慶太のやつが、振込完了したって。」

と告げられた。


私は 安堵と旦那の気持ちを思うと涙を抑えられず


「お疲れ様でした。こんな事をさせてしまってごめんなさい。」

と言った。


旦那はお金が欲しかった訳ではない。

自分の傷ついた心を失った気持ちを取り戻す為、

一歩進む為、

私と前を向いて生きて行く為、

忌まわしい出来事を過去のものにする為に

慶太に罪を突き付けたんだと思う。

どうせ反省などしないだろう、

それでも爪痕だけでも残してやろうと。

やれる事を精一杯やったのだと思う。

旦那と慶太のやりとり

一度目の内容証明を送り、返信がない。


二度目の内容証明を送る。期限付き。



弁護士に一報入れる様にあるらしいが、深夜 弁護士事務所に連絡があったらしい。


弁護士は退社後の為 連絡がつかない。


弁護士が何度も慶太に連絡を取ろうとするが、連絡がつかない。


弁護士も旦那もイライラを募らせる。

旦那のイライラはダイレクトに私にぶつける。

数週間が過ぎ やっと連絡がついた。

慶太が不倫の事実を認め

謝罪の意思もあるという。


次は慰謝料について。

おそらく旦那は300万円くらいを吹っかけたと思われる。


慶太の反撃。


[それはいくらなんでも高すぎる。

不倫したのはまゆさん(私)も同罪であり、

自分は夫婦関係は破綻していたと聞いていた。

そもそも出会い系で出会ったのは、

まゆさんが自ら出会いを希望しての行動。

自分からまゆさんを唆した訳ではない。]


慶太が不倫を私のせいにして来た。

しかも、夫婦関係が破綻とか大げさに言ってきた。


でも 別に何とも思わなかった。

私も慶太を売ったのだから。

ここで慶太を庇うような言動があれば、

旦那と更に溝を作る事になる。


私は全て 旦那に協力しなければ

離婚されてしまう。



そんなやり取りをまた数週間続ける。

内容証明

旦那は大手の法律事務所に

不倫の慰謝料について相談した。


やり取りの詳細はわからないが、

大きな封書が届き 私の不倫の事実を書き記す。

どこで誰と(慶太と)何回 、

どのくらいの期間 関係を持ったか記載して行く。



旦那には話していた事だが、書類に記載しながら

旦那の怒りが抑えきれない。


私を罵倒する。

旦那「本当お前ってクズだな。」

私「ごめんなさい。ごめんなさい。」


と謝りながら書類の作成と自白の音声録音、

次に約束を守らなかった時は

慰謝料に上乗せする事を約束した。



慶太に送り付ける書類は弁護士が作成。



内容証明を送るが、数週間返事がない。

イラ立ちを抑えきれない旦那。



毎日その気持ちを爆発させる。

慶太の名前

慶太に内容証明を送る為には

名前、勤め先、住所が必要だった。

名前?正確な漢字など分かる訳がない。

旦那には「思い出せ。書け。」

と命令され、思い出すまで許さない

などとにかく高圧的。

私は毎日のように旦那に責められるストレスで蕁麻疹を発症していた。

漢字、漢字、、、思い出すも何も知らない。

互いに身分証明書など見せ合った事など

無いのだから。

それでも旦那に責められる。

「思い出せ。書け。許さない。」

適当な漢字を書いてみる。

私「こんなかな。」

旦那が弁護士に伝える。

弁護士が照会する、合わない。

違う漢字を書いてみる。

合わない。

「どうにかしろ」と言われるが分からない。

そして思い出す。

慶太と旅行に行った時に慶太が書いた宿泊カード。

旦那が怒るのが怖い。
でも正直に言わなきゃ。

恐る恐る言ってみる。

私「前に慶太と旅行に行ったとき書いたものがある。」

旦那に責められながらも旅館に電話する。

私「去年の◯月◯日にそちらに宿泊してる者ですが、領収書の再発行と宿泊カードのコピーをファックスで送って下さい。」

旅館の人「今は若い人が居なくてパソコンを扱えないので、夕方まで待って下さい。」

旦那に言うと、

「ふざけんな。そう言われただけで鵜呑みにするのか。協力する気ねーな。」

ここまで正直に言ってるのに、協力してるからこそ、言いたく無い事まで言ってるのに。

それでも、どんなに責められても 離婚を回避したい私は罵声に耐え全て旦那の命令に従うしかない。

待って下さいと言われたのに、また電話する。

そして若い人が出た。

宿泊カードのファクスをお願いすると、すんなり送ってくれた。

個人情報とか、疑われたらアウトだったかも知れない。
ある意味ラッキーだった。

住所の番地と名前の漢字を入手出来た。

コレが嘘でないなら。

相談

旦那は慶太に制裁を加えるべく動き出す。


再構築して行く為には、

旦那の気持ちがきちんと私と向き合って、

私の罪を過去のものにする事。



正攻法で旦那自身の気持ちを静めて行く事。


それは私も旦那も痛みを伴う。


私も不倫の事、慶太の事を旦那に話し 責められるのは辛い。


旦那が聞きたくない話をしなければならない。


それでも、

私をもう一度信じ、夫婦として暮らして行く為に

私の罪を過去のものにする為に

旦那自身が乗り越えようとして前に進もうとしてくれている。



私は慶太を今までかばって来た。

話したくなかった。

守りたかった。

迷惑をかけたくなかった。




その気持ちこそが旦那を傷つけている。


旦那に許して欲しいなら、旦那に信じて欲しいなら

旦那とこれからも過ごして行きたいのなら

子どもの笑顔を一緒に見て行きたいのなら

旦那に協力するしかない。

旦那の気持ちを救いたいのなら、

旦那の気持ちによりそって

私と慶太の罪を罰して行く。



旦那は弁護士に慰謝料請求の申し立ての相談をした。

お花畑から出る

私は旦那から罵声を浴びせられながらも旦那の心の叫びを感じ取っていた。


信じない!といいながら、
本当は信じたい!と強く思っている事

許さない!といいながら、
本当は許したい事


私が慶太の事を隠していたら旦那は前に進む事が出来ない。

慶太の事を話すのは、
更に旦那を傷つける事になる。

でも、住んでいる場所を明かし 本人と話し合いでも出来たら

どんな話になるかわからないけど、それでも
洋の時みたいに、逃げられた悔しさからも少しは解放されるのではないか。

不倫した私はもう終わった事だと思っているし、もう忘れて欲しいと思っていても、された方は何の区切りも無しに何のケジメも付けずには 前に進めない。
忘れたくても、忘れられない。

私は自分の罪と向き合わなければならない。

目の前にいる 私の本当の意味で大切な人をもうこれ以上傷つけ続ける事が辛くなった。

地獄へ突き落とす

旦那に

「もう、一緒に居るのが耐えられない。
男を差し出さないのなら離婚する。
出て行ってくれ。」

そう言われて 私ももう限界だと思った。


私「一緒に行って欲しい所があるの」


慶太の住んでいる所だった。

住所はわからない。

でも場所はわかる。



慶太の事は本当は隠し通すつもりだった。


不倫で二股なんて旦那が知ったら 発狂して離婚される。

それが一番怖かった。



もう慶太への気持ちなどない。


旦那に慶太の事など話さなくても、もう二度と繋がろなどとは思っていなかった。


でも、もう隠し通すのが限界だった。

旦那に嘘をつくのが辛かった。



旦那を苦しめて、何の責任も取らず


何の気持ちを晴らす事も出来ない辛さを私が与えている。



心からの慶太との決別。



そして旦那への忠誠。

地図を見て説明する。




旦那の心情は、
後に知るが



さらなる地獄に突き落とされたかの様だったらしい。


それと同時に

やっと 喉につかえたものが取れた様な

やっぱり他にも居たんだと納得する様な、

腑に落ちた感覚だったという。

決意

旦那との夫婦再構築。


3歩進んで2歩下がる 事の繰り返し。



毎日のように土下座し 泣いて謝っていたが、

だんだんと気分が良い時間も持続する様になって行

った。



しかし、テレビを見ていて 不倫に関するワード、

同じ名前の芸能人、場所などが出ると

フラッシュバックが起こり途端に機嫌が悪くなって

会話が出来なくなった。



一緒にお風呂に入ってもため息。

晩酌をしていてもため息。



旦那の頭の中から私の不倫が離れる事がない。



そして また責め続けられる。



旦那も責め続けていると、ヒートアップしてきて

本当は言いたくないであろう言葉も次々浴びせる。



私を責めて責めて責めて、自己嫌悪する。



その日は、怒りが止められなくなったのだろう。


男を差し出せとまた同じ事を言う。



「もう、我慢の限界だ。ケジメつけないなら、離婚する。もう、出て行ってくれ。」



私は泣きながら土下座する。


そして決意した。

神社巡り 伏見稲荷大社

旦那の仕事で京都に行く事になった。

毎年旦那は一人で行っていた。


以前、

私「いいなぁ、私も行きたい。」

と言った事があったが

旦那「お前となんか、行かねーよ。」

と言われ旦那と仲良く旅行に行く事なんてもう人生で無いのだろうと思っていた。



その年の京都出張は、旦那が私を置いて行くのが何を仕出かすか分からないという理由で私を連れて一緒に行く事になった。



ご祈祷を受け、御神籤を引いた。





【凶のち大吉】

これまで死ぬる思いの苦労をしてやっと峠を越したところ
ここで過去を清算して 再出発せよ
幸運は前途に待っている



と書かれていた。


やっぱり、神様って見ているのか なんて思ったりする。

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